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構造に大きな変化をきたすものになっている。報告者らが見いだした変異も、316番のプロリン以降エクソン・スキッピングとフレームシフトによって大きく構造が変化していると予想される。その結果、Rh抗原を担うRhcE、RhDポリペプチドと安定したコンプレックスを作ることができなくなり、全てのRh抗原を欠失したと推定された。従って、Rh50糖蛋白は、regulator typeのRhnull遺伝子の有力な候補であると同時に、RhDおよびRhCE抗原の発現にとって共通の重要なco−moleCuleであると考えられる。

 

【おわりに】
先天性ならびに後天性溶血性貧血を誘導するRhシステム血液型物質の分子遺伝学的解析をおこない、RhD、RhCEポリペプチドの赤血球膜発現に際して、いずれも複数のCO−moleculeを必要とすると考えられた。そして、先天的にこの両ポリペプチドを欠損し慢性溶血性貧血を呈するRhnull例において、スプライシング異常に起因するRh50糖蛋白の変異が検出されたことより、Rh50はRhDとRhCEに共通のco−moleculeであることが強く示唆された。

 

 

 

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